サイバーセキュリティや人工知能(機械学習等)を中心に、最新技術を研究しています。
韓国の原発で起きた前代未聞な方法でのサイバーテロ。
事態の推移によっては甚大な被害が予想されて慌てふためく周辺各国。
最高のビジネスチャンス到来と暗躍するサイバー軍事企業。
最初から最後まで徹頭徹尾蚊帳の外に置かれて、カネを出す以外に手が出せない日本。
事態は一応解決したように見えるものの、最後の最後までテロの目的と真犯人がわからないまま迎えるラスト数ページで明かされる驚愕のシナリオ。
危機感と即応力に欠けて描かれる政府が、映画「シン・ゴジラ」で描かれた政府とオーバーラップするところがあって興味深かったです。
脆弱性情報が、費用対効果が悪い上に使うに使えない核兵器を凌駕する時代になったことを痛感させられました。
一田作品としては、久しぶりのハードボイルドなサイバー・ミステリーで、氏の最高傑作であると言っても過言ではない作品です。
サイバー小説とは言え、読者に要求される IT リテラシーは一般的なレベルなので安心して読むことができます。
一読されることを安心してオススメできる一冊です。
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