サイバーセキュリティや人工知能(機械学習等)を中心に、最新技術を研究しています。
第二次大戦中、米軍が暗号を使わずに先住民を通信兵(通訳)として同行させていたというのにはウケました。
その後、テーマが古代文字の解読に移るのですが、これがそもそも暗号の歴史とはまた主旨も時間軸も異なるのとページ数が多いせいで、途中で読み進む気持ちが萎えそうでした。
その後、言わずと知れたRSA暗号とPGP暗号が登場して、量子コンピュータへと話が続きます。
量子論がちょっと説明されたぐらいでは理解困難なのとは対照的に、RSA暗号の解読が中学校で習う素因数分解という初等数学でありながらも、高速化が困難と言う点が感慨深かったです。
本編の後に補遺として、暗号史に名前を残すも表舞台には上がらなかったいくつかの暗号の紹介やRSA暗号の計算方法の詳細が続き、最後にオマケとして賞金のかかった全10問の暗号問題が出題されていますが、残念ながら既に全問を説いたグループが賞金1万ポンドを手にしています。
上下巻を通して暗号アルゴリズムを理解しながらになるので、小説を読むようにはさくさくとは読み進めませんが、読みごたえは十分です。
暗号の進化の歴史とそれぞれのアルゴリズムを、楽しみながら理解できる一冊です。
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